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採用されました

活用例・導入実績

−20℃対応のフレキシブルセンサータグで低温輸送管理を実現

協賛企業
山形大学、イノラックスジャパン、コールドストレージジャパン、ENJI、ぷらっとホームなど
実証企業
通信機器販売会社、物流コンサルティング会社、酒蔵など

開発背景

食品や医薬品などの高付加価値品の輸送の際には、荷物輸送、積み下ろし、倉庫保管中に一定の温度や湿度を超えてしまう品質劣化のリスクがあり、一連の輸送工程における高度な温度や湿度管理が求められています。

このような温湿度管理には、これまで大型の使い捨ての一次電池や、充電式の二次電池が内蔵されたICタグを用いられてきましたが、装着場所が限定されること、電池の充電や廃棄などが物流工程を煩雑にしていました。

そこで、低温や高温などの過酷な環境でも異常検知ができ、小型で、手間を最小化する温湿度管理センサータグの実現に取り組みました。

EnerCera活用意義

−20℃の低温環境でも安定した電力供給と長時間の動作

EnerCeraは、冷凍・冷蔵庫内、寒冷地など、過酷な環境でも安定した電力共有と長時間の動作ができることが実証されています。既存の二次電池ではできなかった幅広い温度に対応し、直射日光が当たる場所や、コールドチェーンにも対応しています。

極薄0.45mmの曲がる電池で、ボトルなどの湾曲面に対応

実現した曲がる薄型センサータグは、湾曲面への装着にも対応できます。イノラックスジャパンのフレキシブル回路基板に、EnerCeraパウチを搭載することで、デザイン自由度の高いタグを実現しています。薄さと曲げ耐性から、場所を問わず装着でき、ボトルや箱などに貼り付けて、温湿度などのセンシングデータをロギングすることができます。

無線対応で繰り返し使えるタグに

EnerCeraは、BLEやLPWAなどによる長距離の無線データ通信ができ、充電作業なしに繰り返し使えることを可能にしているため、ロギングデバイスなどに適しています。使い捨ての電池を使うより、使い続けられるタグを用いることで、中長期でのコスト優位性と環境への配慮の両立が期待できます。

ユースケース

2022年イタリア産のワインを日本輸出する実証実験で、150日間の温湿度モニタリングに活用されました。さらに、2023年12月には、秋田の酒蔵の日本酒をシンガポールに輸出する実証実験が行われ、日本酒の輸送箱の中に、センサータグを装着し、約10日間輸送中の温度データを記録し、到着後にデータを確認する仕組みで、品質の確認が行われました。EnerCeraは、フル充電で8ヶ月間(240日)使えることが実証されており、今後も様々な地域や高付加価値品の品質管理などでの活用を見込んでいます。

写真:イタリア産のワインを日本輸出する実証実験で活用されたセンサータグ

 

社会的意義

今後、トレーサビリティへの要望が強まる中、輸送中における品質モニタリングセンサーの需要が期待されます。ワクチンの輸送や、ワインや日本酒の輸出入、美術品などの温湿度管理など、センサータグの活用可能性は広がっています。
EnerCeraは、低温でも安定的な動作ができるリチウムイオン電池としては珍しく、低温対応が課題となっている無線機器の電源としてのニーズにも応えていきます。

写真:イノラックスジャパン製 FHEセンサータグ
写真:イノラックスジャパン製 FHEセンサータグのサイズ

 

ご採用企業様の声

「我々の新規事業に薄くて軽いエナセラは欠かせません。イノラックスの新規事業では、水や薬液使用量が極めて少なくアディティブ工程で低コストな装置による低製造エネルギーのプリンテッドエレクトロニクス技術を応用しています。これにより、薄型で軽量ながら長時間駆動や従来不可能だった場所やシーンでの計測を実現するFHEデバイスを提供しています。」

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