家電や住宅設備を通信ネットワークを通してコントロールし、快適で安心・安全、便利な新しい暮らしを実現するスマートホーム化が進んでいます。室内環境センシング、バイタルセンシング、ホームセキュリティーシステム、スマートメーターなどのセンサーの導入や、ドアや照明器具、TV、エアコン、調理機器のIoT化が広がっています。
しかし、住宅に設置するさまざまなセンサーの電源を有線対応にすると、配線を壁伝いに這わせることになり、見栄えが悪くなってしまいます。壁の内側に配線を隠す場合は、大掛かりな工事が必要となります。
一方、無線対応では、有線対応時の課題は解決できるものの、使い捨ての一次電池を使用すると、センサーと電池のユニットが屋内のさまざまな場所(天井・床下・家具への埋め込みなど)に設置されることにより、電池交換の手間だけでなく廃棄などの問題が発生します。
二次電池を活用する場合は充電が可能ですが、どのように充電を実現するかが課題となります。無線で、室内光や太陽光、振動、温度差など環境エネルギーを電力に変えて利用する環境発電や、電波の送受信により電力を伝送する空間伝送型ワイヤレス電力伝送(WPT)など、画期的な無線給電技術がありますが、これらの技術ではμWレベルの微弱な電力しか確保できず、データを収集・送信する際に必要な多大な電力を得られないという課題がありました。
そこで、スマートホームを実現する環境発電やWPTの電源の課題を解決するスマート家電用デバイス電源の開発に着手しました。